地理とネットから見えてくる可能性

リモートワークなど、ある程度の物理的な要因を無視できる現状でも完全に地理を無視できるわけではないため、両方を視野に入れつつ考察するブログ

長崎新幹線は不要

 

 長崎新幹線について結論

佐賀県の主張通り、在来線を廃止してフル企画の新幹線を導入する必要は無いと思います。長崎、国の傲慢さが遺憾無く発揮されています。長崎は100年前の感覚が抜けていないのでしょうか? 今や長崎は重要拠点ではありません。巨視的に見て、福岡からの旅行先程度の土地です。鎖国と言う政治由来のバグで発展してしまった土地です。今後鎖国の様なバグが発生しない限り、長崎の重要度が高まることはありません。

そのような都市を結ぶ路線を重要視し、特に佐賀を含む在来線を廃止するに十分な理由を示すべきです。意思決定を下した人間は長崎に所縁のある国会議員で、国会議員は新幹線がただ乗りできるから無料区間さえ増えれば他はどうなっても関係ないという考えでしょうか?

佐賀側

わざわざ長崎のためだけに税金を利用し、在来線を廃止する必要はありません。

佐賀市自体が発展することは無いでしょうが福岡市が発展してくれるおかげで鳥栖が衛星都市として、九州最大の平野である筑紫平野(佐賀)が住宅地として価値が今後も高まり続けると思います。さらに近年は一部リモート化も進み、程よい距離感である佐賀には追い風も吹いています。佐賀はそのことを十分理解しており、だからこそ在来線の廃止に対して反対するのは最もな意見だと言えます。

言い換えれば通勤、通学に悪影響が無いように在来線が維持されることが確約された上での佐賀市経由の新幹線建設であれば賛成するでしょう。

長崎側

福岡へのアクセスが向上しますが、そもそも長崎に将来性はありません。

長崎の将来性の無さをカバーするための新幹線建設であるという見方もできますが、佐賀を犠牲にする時点で九州全体ひいては日本全体における利益追求ともならず論外です。佐賀(筑紫平野)は地盤の弱さ、有明海の水深の浅さ等、ビジネス的には適さないところも多いでしょうが、筑紫平野は九州最大の平野なため農業地、住宅地としての価値が大いにあり、長崎の様に坂道だらけで経済の拠点都市としてのポテンシャルが本来低い土地とは違います。

なぜ長崎の利便性のためだけに佐賀が不便を強いられなければならないのでしょうか?長崎の先に別の重要な都市があるのであれば全体の利益のために佐賀も譲歩すべきかもしれませんが長崎は終点です。

九州全域を見て考えた案

新幹線以外にも九州は色々考慮すべきことがあります。

新幹線の話題から脱線しますが、都市圏的、財政的にも壱岐対馬長崎県から福岡県に変更すべきと思います。実際に壱岐対馬へアクセスできる都市は福岡市であり、今も長崎県であることは非常に非効率です。小笠原諸島が東京都であるように福岡が管轄すべきです。

その他にも九州に限らず日本全国に見られますが、現代においては非常に不適な行政区分けが多々見受けられます。せめて上画像のように佐賀県日本海側は福岡と長崎とし、福岡の久留米などの筑紫平野全域は佐賀県にすべきではないでしょうか? そして佐賀県の中心地を久留米または鳥栖にしてはどうでしょうか?

筑紫平野に関しては特に酷く、鳥栖佐賀市佐賀県でありながら、久留米や大牟田は福岡県のせいで、短距離に関わらず久留米と鳥栖の両方に新幹線駅が存在し、非常に非効率な都市開発が行われています。

 

話を戻して、長崎の主張通り全路線フル規格の新幹線を通したいのであれば以下路線案の方が適切だったと思います。

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説明のため多少無駄なカーブがありますが、在来線等をうまく活用することで長崎の重要な拠点を効率的に結ぶことができます。

結局九州新幹線は主に福岡市、(飛行機の存在からそこまで重要では無いが)関西へのアクセス向上が主な目的であり、佐賀市を経由する在来線(長崎本線)を廃止させないために佐賀市を経由しなければ良いのです。長崎空港長崎市ハウステンボス佐世保と現ルートより長崎にとって重要な場所を結ぶことができます。将来ハウステンボス付近へのカジノ誘致もプラスに働きます。特に長崎空港を繋ぐことは拡張性の乏しい福岡空港の代替空港としても機能できるため、北九州空港とも協力し、九州地区のインフラの要所として期待できます。

どちらにせよ既に武雄温泉まで建設しているため引くに引けない状況でしょうけど佐賀に落ち度はありません。まあ「まこと駅」と揶揄される筑後船小屋駅と似た状況に陥らないようにJR九州は頑張ってください笑

そもそも最も良い方法としては新幹線法を改正し、長崎区間を無かったことにするべきだったでしょう。時代に合わせた柔軟な法改正ができないことが何よりの問題です。長崎新幹線に費やす予算を別の予算に回したりと予算配分を改善せず馬鹿の一つ覚えで増税国債発行となかなかふざけた行政です。

 

ちなみに局所的でしょうがリニア中央新幹線同様に水問題も発生していますね

 

念の為の補足として、長崎本線の鹿島-諫早あたりの路線をJR九州が新幹線を理由に手放したいという考えは非常によくわかります。上記で佐賀の在来線は維持すべきと言った論調を記述していますが、正確に記述すると新鳥栖-武雄間、新鳥栖-鹿島間の平野部を走る在来線のことを指しています。そのためこの平野部の在来線の利便性が損なわれない場合、仮に長崎新幹線に関係なく鹿島-諫早間の路線を廃線にするといったことをJR九州が提示しても私は賛成です。

 

長崎を英語圏化させるべき

最初に「今後鎖国の様なバグが発生しない限り、長崎の重要度が高まることはありません」と記述しましたが、見方を変えれば政治的バグを発生させれば良いのです。

西洋の開拓地として繁栄した過去の栄光を将来に引き継ぐためには、香港の様に英語を公用語、通貨はドル(ドルペッグ制の導入)等、日本でありながら擬似的に外国にするのが非現実的な様で実は現実的な長崎の成長戦略かもしれません。(さらに姑息で非現実的ですが法人税率を香港やシンガポールと同じぐらいにした方が良いでしょう。)

そこまで変化させなくとも、移民特区、経済特区として長崎県を選定して外資を獲得することが長崎だけのためではなく、日本のためにも有益です。少なくとも人口減少時代に国内リソースだけで運用する限り、福岡の存在からも長崎の衰退は100%と断言できるほど必至です。

新幹線で経済を発展させる???
延命と間違えてませんか???
新幹線を建設しようが長崎自体に求心力がないので福岡に吸収されるだけです。

イメージ的には福岡と長崎の関係性を深圳と香港の様にする感じです。半島が持つ孤立性は隔離できるという特徴があり、一方で実際の孤島とは異なり自動車等による物流網も確保できるため移民の受け入れ先としての可能性を秘めています。佐世保の米軍基地の存在から米国とも同盟国の出身である必要はありますが、論文をはじめ人類の叡智は英語で記述されるのでむしろ優秀な英語圏人材を獲得しやすいというメリットとも考えられます。長崎大の国際性は九大以上に求められるでしょう。

日本政府の使い道に困るドル資産の使用先としても機能するかもしれません。資産運用でドルを保有している国民にとってもメリットです。避暑地とかいうアホらしい別荘地と異なり、経済的に魅力ある別荘地として長崎が機能します。

実際この長崎の英語圏化は孤島的性質からある種日本から隔離しつつも、日本はおろかソウル、北京、上海、香港、台北全ての重要な都市へのアクセス性、世界的物流経路、歴史的背景からシンガポール、香港と同様のポテンシャルを秘めていましたが無駄に日本国内だけで完結させようとしたため可能性の芽が摘まれました。なお現在は香港が中国によって摘まれようとしています。

結局・・・

佐賀は福岡の植民地と言われるがそうではない。九州全体が福岡の植民地である。

ちなみに福岡空港とのアクセス性を考慮して宮崎空港に路線を敷いている宮崎は非常に優秀な植民地です。さらに重要な要素である東京とのアクセス性も確保できています。

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