地理とネットから見えてくる可能性

リモートワークなど、ある程度の物理的な要因を無視できる現状でも完全に地理を無視できるわけではないため、両方を視野に入れつつ考察するブログ

北海道新幹線の延伸先を帯広にすべき

旅客輸送でしか新幹線について語られませんが、本当に価値ある貨物新幹線を運用する前提で記述します。特に北海道新幹線は本州の新幹線以上に重要です。

仮に札幌から延伸する場合、最有力候補とされているのは旭川ですが、旭川は元々帝政ロシアに対応する軍都として栄えた歴史を持ちますが、現代技術に即した防衛の観点からは旭川にメリットはなく、現在のメリットは豪雪地帯による環境試験場ぐらいのもので将来性という観点では非常に薄い土地です。

ちなみに旭川自衛隊が不要と論じているわけではありません。災害救助ではなく、あくまで現代技術に即した防衛設備の設置場所という観点でメリットがないと論じているだけです。

一方で帯広は非常に可能性のある土地であり、以下その可能性を開花させるために貨物新幹線を利用すべきという趣旨を記述していきます。
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十勝平野(帯広)のメリット

  • 経済的可用性
    札幌方面(苫小牧、新千歳など)の物流に問題が生じた場合は釧路のコンテナ港や空港を利用することができるため、可用性も確保できます。
  • 新幹線による時短度合い
    札幌-旭川間は山間部もさほど通らず、比較的直線であることもあり在来線特急で1時間半以内で移動できます。一方で札幌-帯広間は山間部を通過するため直線区間も少なく、早くても2時間半はかかります。そのため、トンネル建設は必須になりますが、旅客輸送においても有意義な路線となります。
  • 平野面積の広さ
    日本の平野の広さランキング1位は関東平野ですが、2位と3位は石狩平野(札幌)と十勝平野(帯広)です。また東京のようなクモの巣状の街ではなく、格子状に整備されているため開発の余地が十分あります。
  • 民間宇宙産業の中心地
    大樹町のすぐ東は太平洋であり、ロケットの打ち上げに失敗してもほぼ被害が出ません。日本で最も適正が高いと判断されているのは赤道に近い種子島ですが、民間宇宙ビジネスを展開するインターステラテクノロジズが大樹町に存在します。ロシアのウクライナの侵攻で注目を集めたスターリンクの様な宇宙を活用した防衛システムは日本に限らず非常に有益であり、それ以外にも地震や火山等の災害時のシステムとしても非常に価値ある企業がここに存在しています。
    帯広であればアグリテックとの組合せや、現状ではコスト的に優位性はありませんが宇宙太陽光発電など可能性はいくらでもあり、この宇宙産業の転換期はインターネットが軍事技術から民間技術へと移行して爆発的に成長したものに近しいものがあります。
    政治的にEVシフトさせられる未来から悲観的な人もいますが、歴史的に見ても産業の破壊は好機でもあり、日本の自動車産業は特に燃焼系システムが強く移行先産業として、イメージセンサーソニーの存在からも宇宙は有望です。技術的な点以外にも防衛の観点から法的、打ち上げ地点から地理的にもEV以前の自動車産業以上の参入障壁が宇宙産業にはあり、もし成功すれば明確な国益となります。

改善点

  • 産業の弱さ
    第一次産業に依存しており、都市の発展は厳しい状況です。ただ私が記述するまでもなく、行政側は多々優遇措置を行い誘致を行っています。
    帯広市の企業立地補助制度のご案内| 帯広市ホームページ 十勝
    その中で一点だけ私の意見を記述すると、情報サービス業の誘致ですが札幌を差し置いて事業所を誘致することは不可能だと思います。冷却費を浮かすことができるため、データセンターを誘致できる可能性はあると思いますが、データセンターを誘致しても工場と異なり従業員は下手したら10人とか少数になります。それでも税収は潤うので、税収のみを目的としている場合は私の指摘は的はずれなので無視してください。ただしITは既存の帯広の主要産業である農業と大樹町で奮闘している宇宙産業の架け橋となる産業でもあり、今後の成長のためには重要視すべきです。
    (データセンター例:福島白河データセンター|IDCフロンティア
    現状では事業所は無理でもIT従事者の移住誘致は可能性があります。ソフトバンク系の一部など、フルリモート、フルフレックスを導入できている企業も存在し、そのような企業で働いている人たちの中にはコロナのおかげで現在進行系で主に地元に戻り、今まで通り業務を行っている人たちも存在します。その様な人たちが狙い目です。住民票を移すレベルの移住とまではいかなくとも、星野リゾートの様に宿泊サービスのサブスク制度があれば花粉症の酷い時期から冬前まで確保できる可能性が高まり、交流の場を作ることができればノウハウがたまり、既存産業のDXが促進されるかもしれません。帯広においてはアグリテックの促進になります。今後の競争力維持のためにもアグリテックの促進はもう少々意識すべき点だと思います。
    ちなみに宿泊サービスとまでいかなくとも帯広の道幅の広さからキャンピングカーのサブスクでも可能性はあります。既にある浴場、コンビニ以外に電気ステーションは用意する必要がありますが、モバイルwifiテザリング機能を使用すれば単身者であれば問題なく生活、仕事ができます。むしろその電気ステーションに各種水回りのサービスも含まれる様にサブスクを展開すれば人の居場所をある程度集約でき、その様な自由な生き方をするIT人材とコンタクトをとるための交流の場が生まれます。その様に導入口を広げ、最終的には住民票を移してくれれば理想的です。


    十勝を超えた視点での話になりますが、北海道以外の地域(九州など)の農地も加えて会社として運営できるシステムが構築できれば理想的です。若者の農業従事者が増えない理由は、災害等による収入の不安定さ、福利厚生、社会的ステータス、将来性等が起因しています。この問題の解消の糸口がない訳ではありません。
    北海道以外にも九州なども1つの組織が運営できれば災害リスク、土壌疲労の分散に繋がり農業運営の安定性が向上し、アグリテックが浸透すれば生産性の向上による収益性の向上、先進性からの社会的ステータス向上による人材の獲得の可能性が無いわけではありません。ただし現状の日本は競争力を無くす数ある無駄規制の1つとして株式会社が農地を持つことができない愚かな規制が存在するため、実現させるためには日本政府が変化しなければならないという非常に厄介な問題を抱えています。

    この十勝での産業を将来を見据えて手助けするためにも貨物新幹線を帯広に持ってくるべきです。
     

  • 交通(貨物路線)
    端的には北見と繋がる路線についてです。
    面積の広さ、農業大国の北海道においてコンテナのまま輸送できる貨物輸送は非常に重要であり、現在は以下図に示した路線を用いて輸送されています。

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    ここで特別豪雪地域を確認します。

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    上記地形図、降雪マップと既存路線を考慮すると北見を旭川経由で結ぶのではなく、帯広-釧路-北見(オホーツク地方)を貨物路線として利用していた方が良かったのでは?と思われます。具体的には以下のような路線図です。

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    JR北海道の利益だけを考慮すればただ赤字路線である北見路線は不要であり、そもそも自動車道を利用すれば良いだけです。インフラの可用性を高めるため、税金を投じてでもオホーツク側に1路線は残すべきであればコンテナ港のある釧路に接続できるルートの方が優位性があります。
    北極海ルートや日本海への入り口となる津軽海峡の近くに位置することからも釧路や苫小牧(+室蘭)のコンテナ港は国家戦略レベルの重要な拠点です。

    北海道における旅客輸送は札幌、新千歳付近を除き自動車道が維持されれば基本的には在来線の必要性は低く、貨物輸送ファーストで考えるべきです。貨物輸送であればやはりコンテナ港(苫小牧、釧路、室蘭)と本州との接続点(函館)を起点に考えるべきです。JR北海道は地元住民から廃線化に対して意義を唱えられていますが、バスが存在しているのに反対している現状はおかしな話です。

結局のところ

JR北海道に限らずJR四国もだが、需要の大きな都市が少ないのが結局のところ問題であり、貨客混載など試行錯誤しても良くて維持、基本赤字。せめて帯広が九州における熊本レベルの都市であるだけでもインフラ維持に貢献はできます。

あとそもそも青函トンネル間の新幹線は必要だったのでしょうか?無駄に東京を起点にして青森から延伸する形で新幹線を建設していますが、札幌から延伸する様に建設すべきだったと思います。その上で最も効果のある路線が本当に札幌-函館間であるかどうかは非常に疑問であり、いい加減無駄に国債をするだけの後世に責任のなすりつける政策をやめ、持続可能な様にインフラを整備すべきなのではないでしょうか?

ちなみに厚岸の方が、、、

道東のコンテナ港を有する物流拠点としては釧路より厚岸の方が地理的には適切と言えます。通常時も厚岸湾の地形的に波が抑えやすく、巨大津波に対しても海岸の近くに標高50m近くの丘が存在することから避難しやすくあります。

(すでにインフラが整えられているので釧路市からの移行は難儀ですし、そもそも苫小牧と石狩湾新港の存在から果たして水運物流拠点としての価値がこれ以上あるのかという点は無視できませんが。あとラムサール条約

北海道はでっかいどう

札幌-帯広間で東京-静岡間、大阪-名古屋間と似た距離感にはやはりでっかいどう。これはギリ特急、普通に新幹線で移動する距離感。

十勝平野についての情報