最近何かと良い知らせのある仙台都市圏
東北大が国際卓越研究大学として認定されたり、熊本に続き半導体工場の建設が決定していたりと、将来性のある大型投資が仙台都市圏で発生しています。そんな仙台は現在の首都圏のあり様から誇張して言えば大阪クラスに重要視しても良い都市圏と考えることができます。
現在と数10年前の日本の経済圏の違い
日本の経済は東名阪の3大都市圏を中心とした経済圏が大黒柱として存在し、それら都市圏から地理的に離れつつ経済的求心力のある札幌、仙台、広島、福岡を含めた7大都市圏で日本経済の大枠が説明できるような状況という認識が一般的です。
しかし現在では東京が害悪なほど強力かつ大阪が相対的に低下したが故に、東京一極集中国家として「首都圏+α」が日本であると言えるような状況に現在進行形で移行しています。
コロナでリモート化が進み東京の一極集中が収まると思えば、実際は対応可能な人材が想定以上に存在せず、IT系であったとしてもフルリモートまでは移行できなかったり、人手確保のため東京から移動しても首都圏からは移動できない企業がほとんどであり、結局東京一極集中の流れを止めることは出来なかったと言える状況です。必要以上の流入により混雑し、東京にも弊害が生じているのに現都知事はクールビズの様なイメージ戦略は得意な様ですが、それ以外のビジョン、道筋を立てることは基本無い様なので厳しいでしょう。
ちなみに現在の大阪を厳しく評すると関西でのみ求心力がある都市と言える状況です。
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/13759/00147039/140302.pdf
3大都市圏以外の重要性
大阪は歴史的にも経済の中心地であり、東海道、北陸道、山陽道などの接続点となり、国家的プロジェクトとなるリニア中央新幹線の端点となる重要な拠点であることは間違いありませんが、3大都市圏に昔ほど固執することには疑問があります。
近年は東アジアに最も近い福岡の成長、大阪の域内総生産は愛知と競う状況であり、3大都市圏と言えど東京とそれ以外で圧倒的差が生じています。今となっては経済的にG7の7カ国に固執する必要はなく、少なくともオーストラリア韓国インドなども含めるべきという考えと同じです。
仙台は東京-京都間ぐらい東京から離れているが、東北新幹線が東海道新幹線と異なり線路がカーブが少なく、大宮からノンストップ便だと1時間で行き来可能であり、豪雪地帯ではなく、近くに福島、山形、大崎などの可住地が多数ある本州北部の中心拠点として機能できる重要な拠点です。
とは言え太平洋ベルトと異なり歴史的に人口の多いわけでは無く、大阪のように世界的大企業が存在するわけではないので支店経済都市で、大阪とは流石に差があります。
世界的企業が少ない仙台
東北大という非常に素晴らしい大学が存在しているのに、福岡市同様に世界的テック企業が存在しないことは非常に残念な状況といえます。福岡市はまだ隣の北九州市に安川電気、TOTOといった世界的企業が存在し、ITもゼンリンが存在し、物流、工業も強力で福北圏として見れば強力です。
仙台に限らず東京に吸われない環境を整える必要が最重要課題でしょう。まだ東京に吸われても活躍できるのであれば良いですが、彼氏彼女のストックのように企業に飼い殺しされる環境は害悪そのものです。しかしこの問題を突破できれば非常に可能性のある拠点となるのが仙台と言えます。
しかし地元に強力すぎる企業が存在しないことは、スタートアップ企業が人材確保という点で大企業に押しつぶされにくいこともあり、必ずしも悪いこととは言えません。アイリスオーヤマが元々東大阪を起源としつつも本社を仙台に移したことは先見の目があると言えます。
例えスモールビジネスでも無視できない価値あるスタートアップ企業が集積できれば、人材以外にも不動産、国からの公共事業をはじめ仙台都市圏外からの新規の資本流入案件が見込め、都市圏内の安定した開発が進み、より魅力的な都市として発展できる可能性はあります。福岡市が良い例でしょう。
仙台は同様に学生の流入が多く、地元に世界的大企業が存在せず、スタートアップ支援も積極的になり、昔から地方拠点都市であることからも都市開発案件はそこそこ豊富です。東北大は国立大の中では外国人比率も高く、研究所からもスタートアップへの先進技術の協力もあり、福岡市以上に無視できないスタートアップ集積地となる可能性は十分あります。
今後に注目
福岡市ほど目に見えてわかるほどの結果が出てるとは言えませんが、兆候はかなり出ています。街並みも驚くほど綺麗であり今後の成長が楽しみです。